今、毎週末に複数のグラウンドをハシゴして、息を切らしているお母さん、本当にお疲れ様です。ウタマロさんちの母ちゃんです。
我が家は6人の子どものうち5人がソフトボールの沼にハマったとお話ししましたが、そうなると必ずやってくるのが、あの「最恐のXデー」です。
これは数年前、上から下まで4人の子どもが同時に現役バリバリだった頃のお話――。
高校生が2人。
小学生2人は同じチーム。
まさかの、公式戦トリプルバッティング。
しかも、全部別会場――。
「いやいや、身体一つしかないんですけど……!」
週末の予定表を並べたダイニングテーブルの上で、私は重いため息を吐き出すしかありませんでした。

目の前の試合、頭の中には「もう一つのグラウンド」

誰の応援に行けばいいのだろう。
長女にとっては、負けたら終わりの高校最後の大会。
次男だって、これまで泥だらけになってバットを振ってきた。
でも、小学生の次女も三男も、今まさにグラウンドで頑張っている。
全部見たい。全員の頑張りを、この目で焼き付けたい。
でも、母ちゃんは一人。分身の術なんて使えません。
結局私は、泣いても笑ってもこれが最後になる、長女の球場へと車を走らせました。
けれど、応援席に座ってメガホンを握りしめていても、頭の中はパニックです。
「今ごろ、あっちは試合始まったかな」
「あの子、ちゃんと打てたかな」
「エラーしてないかな」
長女の目の前の大熱戦を見つめながらも、私の心の中には、別のグラウンドが同時に2つも広がっていました。

「その瞬間、見たかったなぁ」夜のキッチンで呑んだ涙

そして、ヘトヘトになって帰宅した夜のことです。
夕食を作っていた私のところへ、留守番や別の配車で帰ってきた下の子が、目をキラキラさせて駆け込んできました。
「お母さん!今日ぼく、ヒット打ったよ!」
「えっ、本当!?すごいやん!」
私は溢れんばかりの笑顔で答えました。
でも、夕飯を作りながら、心の中では、小さくチクッと痛むものがありました。
(あぁ……その瞬間、この目で見たかったなぁ)
親って、我が子の頑張っている姿を、全部見てあげたいんですよね。
必死に白球を追いかけるところも。
会心の当たりを飛ばした瞬間も。
ベンチで仲間と飛び合って喜んでいる顔も。
できれば、全部、全部。
でも、親は一人。だから、どう頑張っても全部は見られないのです。
14年間ソフトボールの母をやってきて、何度も「身体が3つあればいいのに」と思いました。
……いや、我が家の場合は6人分だから、6人必要か(笑)。

あの日の私は、誰かを選んだんじゃない。選ぶしかなかった。

あの日の私は、特定の子を選んだわけじゃない。
母として、苦渋の決断で「選ぶしかなかった」のです。
行けなかったグラウンドの報告を今でも思い出すと、「見たかったな」というちょっぴり切ない後悔が、胸の奥をツンと突きます。
でも、それも含めて、全員を同じように愛して、ひたすら追いかけ続けてきた、私の愛おしい14年間です。
もし今、どこかのグラウンドに行けなくて「ごめんね」と自分を責めているお母さんがいたら、伝えたい。
身体は一つで合格!
夜、帰ってきた我が子の話を「すごいやん!」って抱きしめて聞いてあげられたなら、それだけで100点満点!
今日も砂だらけで帰ってきた子どもたちと、美味しいご飯を食べましょうね。
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【次回予告:第2話】
「子育てのラスボスは『お弁当箱の出し忘れ』だった件」
連日朝5時起きでお弁当を作っている皆さま、お待たせしました。
夜中、シンクの奥から放たれる「あの重いオーラ」と、ウタマロ母ちゃんが本気で大喧嘩したお話をお届けします。お楽しみに!