複数人で連携を取りながら跳ぶことが多いブロックは、コンパクトな動作にならざるを得ないため、単独動作のスパイクに比べて跳躍力を発揮しにくい性質がある。そのため、跳躍高に依存しやすい低身長選手はブロックが一番の弱点となる場合が多い。
私自身も身長が170cm前半ということで、自分のブロックの非力さによく頭を悩まされていた。
現役時代は全国レベルの高さを持つ選手たちと対戦できる機会が多くあり、その時に低身長選手としてブロックで意識していたことを紹介しようと思う。

①高さより形やフォームを意識する

多くの低身長選手は高さに固執して、ブロックの手の出し方やフォームを疎かにしやすい。もちろんブロックにおいて、その高さが重要な要素であるのは間違いない。ただ、ブロックの形やフォームを犠牲にして高さを出せたとしても、”スパイクを懐に吸い込んでしまったり”、”ブロックアウトを取られてしまったり”とマイナス要素の方が遥かに多くなる。
具体的に意識して欲しいことは、”手を相手コート側にしっかり出す”、”上半身はネットと並行になるようにする”などだ。
相手コート側にしっかりと手を出すというアドバイスは割とメジャーではあるが、少しでも高さを出そうと必死な低身長選手はこれが疎かになっていることが多い。手を斜め前に伸ばして相手コート側に出さないといけないところを、少しでも高さを出そうと自コート上で手を真上に伸ばしてしまいがちだ。これをしてしまうと、先述の通り、ネットと自分の体の間に空間ができてしまい、そこに相手のスパイクを吸い込んでしまう。そんな直接失点に繋がってしまうようなブロックをするくらいなら、高さが出せなくても手を前に出すことを意識して、相手のスパイクが手に当たった時に機能するブロックをした方が効果的である。
続いて、空中での上半身はネットと並行になるようにするについてだが、こちらも高さを意識しすぎるがために反動動作を大きくしてしまう低身長選手にできていないことが多い。サイドにトスが上がった時に、クロスステップから跳躍することはよくある。その際に振り上げる腕の反動で、上半身がネットに対して開いてしまいがちだ。上半身が開いてしまった方向へスパイクを打たれると、相手のスパイクを吸い込んでしまったり、簡単にブロックアウトを取られたりしてしまう。クロスステップは上半身が外側に向いてしまいやすい動作だが、常に上半身がネットに平行になるように意識して移動、跳躍することが大切である。

②肩甲骨を動かす

高さより形やフォームを意識して欲しいと①で説明したものの、ブロックにおいて高さは重要な要因である。多くの人は跳躍力を高めることに重点を置いてしまい、肩甲骨を動かして高さを出すことを意識できていない。これまで肩甲骨の動きを意識せずブロックをしていた人は、これだけで数cm高さが伸びる。
具体的な動きとしては、腕を上げてブロックの形を作り、そこからさらに肩の頂点を耳に引っ付ける(肩甲骨の挙上、上方回旋)ようなイメージで腕を伸ばす。うまくできていれば、普段ブロックで腕を伸ばしている位置より数cm高くなっていることと、肩甲骨が動いている感覚がわかると思う。肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を高めて肩甲骨の可動域が広がれば、腕をより高い位置に持っていけるようになり、ブロックの高さも上がるため、肩甲骨周りの筋肉のストレッチも重要となってくる。
トレーニングを積んで跳躍力を高めるにはかなりの時間が必要だが、肩甲骨を動かす練習や肩甲骨の可動域を広げるストレッチなどは比較的即効性があるため、練習の一環として取り入れるべきである。

③ワンタッチを取ることだけに狙いを絞る

高さより形やフォームを意識して欲しいと①で説明したものの、ブロックにおいて高さは重要な要因である。多くの人は跳躍力を高めることに重点を置いてしまい、肩甲骨を動かして高さを出すことを意識できていない。これまで肩甲骨の動きを意識せずブロックをしていた人は、これだけで数cm高さが伸びる。
具体的な動きとしては、腕を上げてブロックの形を作り、そこからさらに肩の頂点を耳に引っ付ける(肩甲骨の挙上、上方回旋)ようなイメージで腕を伸ばす。うまくできていれば、普段ブロックで腕を伸ばしている位置より数cm高くなっていることと、肩甲骨が動いている感覚がわかると思う。肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を高めて肩甲骨の可動域が広がれば、腕をより高い位置に持っていけるようになり、ブロックの高さも上がるため、肩甲骨周りの筋肉のストレッチも重要となってくる。
トレーニングを積んで跳躍力を高めるにはかなりの時間が必要だが、肩甲骨を動かす練習や肩甲骨の可動域を広げるストレッチなどは比較的即効性があるため、練習の一環として取り入れるべきである。

まとめ

低身長選手に特化したブロックのコツについて触れてきたが、いずれもすぐに取り入れて試すことができるものだったと思う。特に肩甲骨については初めて聞いた方や、意識できていない方が多いと思うので、ぜひ練習前や家で試してみて欲しい。
今回紹介したコツを活かして、低身長選手でも高さのある選手と戦えるようになってもらいたい。