チームスポーツにおいて、チームでの戦術は重要であるが個々のスキルが備わっていることが前提であることが多い。

個人のスキルを上げるためには、自主練習が不可欠となる。

バスケットボールにおいて、どのように効果的に自主練習したらよいかを紹介していく。

自主練習の必要性

バスケットボールはチームスポーツであるが、個々のスキルが大きく影響するスポーツである。

個人の自主練習によるスキルアップが不可欠である。

チーム練習は限られた時間で行い、それ以外の時間は個人で行う自主練習の時間となる。

この時間をどのように使うかによって個人のスキルアップに繋がり、試合への出場、そして活躍に繋がることになる。

バスケットボールにおける自主練種について、メニューや環境、考え方について紹介していく。

個人力をあげる3原則

個人力を上げるには以下の3原則を理解したうえで取り組むとより効果が高い。

  • 漸進性
  • 意識性
  • 反復性

漸進性

漸進性とは「順を追って進むこと。少しずつ進歩すること」。

自主練習によって個人力を上げるには、少しずつコツコツとレベルアップすることが大切である。

意識性

意識性とは「取り組む練習にどのような意味があるかを理解したうえで行うこと」。

練習の内容や目的を理解したうえで取り込むことによって、効果があがるであろう。

反復性

反復性とは、「継続的に練習を行うこと」。

継続して練習を行うことによって、大きな効果を得ることができる。

同じ動作を繰り返すことで、筋肉や脳がその動作を記憶し、自動的にその動作を行えるようになる。

自主練習はどこでする?

バスケットボールの自主練習を行うにあたり、場所は重要な要素となる。

ゴールのある場所であればシュート練習ができるが、常に確保できるとは限らない。

主な自主練習環境は以下が挙げられる。

  • 家の中
  • 屋外(ゴールあり)
  • 屋外(ゴールなし)
  • 体育館

家の中

家の中で練習を行う場合、ドリブルも突けなければシュートも打てない環境であることが多い。

しかし、ハンドリングの練習やステップの練習、シュートフォームの確認などは家の中でも可能である。

屋外(ゴールあり)

屋外でゴールがある場所があれば、そこを利用することはとても有効である。

公園などの公共施設に、ゴールが設置されている場所も以前よりは見かけるようになった。

無料で開放している施設と、有料で貸し出す施設があるのでネット等で調べてみると良いだろう。

また、自宅にゴールを設置することで自由にシュート練習をすることも可能になる。

一台数万円で購入することも可能なので、検討してみても良いだろう。

屋外(ゴールなし)

ゴールがない環境でも、練習することは可能である。

この場合、公園、車通りの少ない道路、駐車場などが挙げられるが、地面がコンクリートであることが望ましい。

主にドリブル練習や、ステップの練習が可能となる。

体育館

ゴールがある体育館は、最も実践に近いので練習には望ましい。

簡単に借りることは難しいが、個人で体育館を借りることができる施設や、シュート練習のみ開放している施設もある。

近所の施設を確認してみると良い。

有料となることがほとんどであるが、一番効果が高い。

自主練は恥ずかしい?

初心者にとって、公共の施設での自主練習は恥ずかしいと思うことがあるだろう。

まだ上手く実施できないことが理由であるが、だからこそ練習が必要となる。

自主練習で来ている人は、他人のことをそれほど見ていないので安心してよい。

恥ずかしさの壁を破って自主練習に通うことで、そこで知り合いができ、教え合い、レベルアップすることもある。

ハンドリング練習

バスケでハンドリングは基本中の基本。

ドリブルを突く必要がないので、家の中でも実施可能である。

基本のボール回しは家の中でできる練習であるが、それ以外に効果的な練習方法を上げる。

ポケットハンドリング

脇腹のあたり(ポケット)にボールを引き込むようなドリブルをポケットドリブルと言う。

この引き込む感覚を、ドリブルをつかずにハンドリングで実施する。

右左交互にポケットに引き込むようにボールを保持する。

フローティングハンドリング

フローティングとは、ドリブルで横の動きでズレをつくるテクニックのことを言う。

ドリブルを突いた後の手にボールが収まっている感覚を磨くための練習。

ドリブルを突かずに、左右交互に、ボールを収めるような感覚を養う。

スネイクドリル

ボールのコアを捉えるための練習。

ボールを片手で持ち、真っすぐ腕を伸ばして持ち上げる。

ボールをおろしながら脇の下を通すようにボールを移動させる。

手首を返しながらボールを上げていく。

ドリブル練習

ドリブル練習は、ゴールがなくても実施できる練習である。

積極的に自主練習で取り組むべきである。

ドリブルが上達することにより、1対1でドライブが有利になる。

テニスボールドリブル

ボールを見ないでドリブルを行えるようにする練習。

片手にバスケットボール、片手にはテニスボール等の小さいボールを持つ。

片手でドリブルを突きながら、テニスボールを上に投げてキャッチする。

テニスボールを投げる時に、ドリブルする手を入れ替えるなどのバリエーションがある。

ポケットドリブル

脇腹のあたり(ポケット)にボールを引き込むようなドリブルの練習。

肩甲骨や背骨を動かし、ボールを手に吸いつかせるようにしてできるだけ長くボールを保持する感覚を養う。

ボールを保持する時間が長くなれば、コントロールしやすくなる。

スキーマシューティング

シフトドリブル

ドリブルを突く際に、特に意識をしないと真下に突いていると思われる。

プレーの幅を広げるためには、ボールを色々な位置に突くことが必要になる。

ドリブルを突いた後に、ボールが上がってくる勢いを利用して違う場所に突く。

この時に、ボールを下から抱えるとダブルドリブルになるので注意すること。

シフトドリブル

レッグスルー

レッグスルーもマスターするとプレーの幅が広がる。

前から後、後から前、連続で行えるように実施する。

また、8の字を描くように連続してレッグスルーを実施できるようにすると良い。

シュート練習

ゴールがある環境では、シュートの練習を積極的に行いたい。

自主練習の場合は、ディフェンスのプレッシャーがない中での練習となる。

何も考えずにシュート練習を行っても意味がないので、実践を意識して練習することが重要となる。

スキーマシューティング

ゴール下からシュートを打ち、決まったら少しずつ下がってシュートを打っていく練習。

少しずつ距離を伸ばしていくことによって、フォームを崩さずどのくらいの力加減でシュートを打ったらよいかを感じ取ることが目的となる。

距離が伸びるほど、力でシュートを打とうとするので身体全体でシュートを打つことを心がける必要がある。

スキーマシューティング

ステップシュートドリル

シュート練習をする際に、何も意識せず何も負荷をかけずに行っても効果は薄い。

実践では止まった状態からシュートを打つことはほとんどない。

そのため、ステップを意識しながらシュートを打ち、それでも決められるようにすることが目的となる。

右足⇔左足、外足⇔内足、前後・左右への移動、レッグスルー、ビハインドザバックなどバリエーションは多数存在する。

自分の得意・不得意ステップを理解し、得意を伸ばし、苦手を克服するように工夫して練習する。

コーディネーションドリル

試合中に、万全な体制でシュートが打てることは少ない。

不完全な体制から調整することを、コーディネーションという。

1人での練習時に敢えて不完全な体制を作り、シュートを決める練習。

ゴールに背を向けて立ち、ジャンプしながら反転しシュートを打つ。

また片足で立ち、ボールを一度床に付けてから上体を起こしシュートを打つという練習などもある。

まとめ

バスケットボールにおける自主練習の重要性、意識の仕方、環境による練習メニューを紹介してきた。

与えられた練習メニューをこなすのではなく、自ら考え取り組み、失敗したらなぜ失敗したかを考えて次につなげていくことが重要となる。

今回紹介した練習メニュー以外にも自主練習メニューはたくさん存在するため、自ら課題を見つけて、練習メニューを考えて実践するということも良いだろう。

自分に必要なメニューを選択し、身体にしみ込ませ、再現できるようにしていくことが上達に繋がるだろう。

参考

  • 『考えるバスケットボール超自主練66』中川直之著
  • 『バスケットボール ロバストシューティング』鈴木良和 著
  • 『いつの間にか「差」がつく! バスケットボール 自主練習ドリル』磯ケ谷光明著