自分の得意技が試合で決まらない経験はないだろうか?
得意と思っていた技が、実は自分に向いていないということが、柔道では良くあるのだ。
そのようなときは一度、柔道の基本技に立ち帰って欲しい。

今回紹介するのは「払い腰」だ。
柔道を始めたころ、なんとなく練習するかたちで終わっていないだろうか?
払い腰を見直すことにより、新たな得意技を見つけるきっかけにもなるだろう。

また、払い腰を得意技の一つとして習得すれば、大外刈りや大内刈りの連絡技としても使えるようになるのだ。
柔道では基本の技を改めて練習すれば、試合で勝てるコツが増える。
今回は払い腰成功のコツと、3つのトレーニング方法を紹介していく。

払い腰を決めるコツは、型を理解して自分の体幹と肉体を鍛えることである

払い腰を決めるコツは、型を理解して自分の体幹と肉体を鍛えることである

まずは払い腰の型をカラダに叩きこむことだ。
引き手と釣り手の位置、払い腰をかける際の足と腰の位置を意識してトレーニング。
手足の位置が悪いと、払い腰をかけるどころか、カウンターを決められてしまうことがある。
払い腰を決めるコツは、型を理解することから始まる。

次に自分の体幹と筋力をしっかり鍛えることである。
体重の軽い選手では体幹が弱いと、力のある選手に投げられてしまうことがある。
また、体重の重い選手は筋力を強化することで、自分よりも大きい相手にもうまく払い腰を決められるようになる。

払い腰は柔道で基本の投げ技とされている。
初心者でも覚えやすい投げ技の1つであり、上級者からも幅広く使われる払い腰。

誰でも扱いやすい投げ技であるため、動きを読まれ対策をされてしまうと一向に決まらない。
しかし、払い腰を決められない原因は、他にも存在するのだ。
払い腰成功のコツは、日々のトレーニングにある。

どの試合でも「払い腰1本」を取れるようなトレーニングを紹介する。

まずは、払い腰の型を徹底的にカラダに叩き込むことだ

まずは、払い腰の型を徹底的にカラダに叩き込むことだ

柔道の基本技である、払い腰をカラダに叩きこむ。
払い腰のトレーニングをする際に、回数をこなすだけになっていないだろうか?
意識するポイントをおさえて、払い腰に取り組もう。

相手と組むさいに、引き手と釣り手の位置や足の置き場所を確認しながら、払い腰のトレーニングをするのだ。
柔道では対人トレーニングがとても有効である。
投げ技である払い腰は、人と組むことで上達するのだ。

柔道のトレーニングメニューでは・打ち込み・投げ込み・乱取りといった3種類の方法が実践的かつ払い腰の流れを、身体に叩きこむことができる。

打ち込みでは、相手と組んでいるときの手の位置や体の重心などを、意識しながら払い腰の型を練習することで、流れを身体に叩き込むことができる。

投げ込みの際には、力まかせに投げ込むのではなく、相手の体重をうまく利用することが、払い腰を成功させるためのコツとなる。

乱取りでは実戦に近く、さまざまな相手と取り組むことができる。
素早く動き回る相手に払い腰を決めるコツや、重量ある相手の重心をずらして決めるなど、どんな選手にでも対応できる払い腰を意識してトレーニングするのだ。

払い腰にオススメのトレーニング方法は、この3つだ

払い腰にオススメのトレーニング方法は、この3つだ

ここでは払い腰を成功させる強い体幹、肉体作りにオススメなトレーニングを3つ紹介する。

払い腰の型は理解したが、実戦になると決まらない。
そんな方は柔道以外に、自身でのトレーニングが必須である。
払い腰には、自分の軸足が棒立ちになったり、軸足を刈られやすかったり、足を持ち上げられ返されやすいといったウィークポイントがあるのだ。

柔道は対人トレーニングであらかた上手くなっていくが、自分1人ですることも必須である。
払い腰も成功させるには、目的にあったトレーニングを行っていく必要があるのだ。

スクワット(自重、ウェイト)

強い脚を作ることが、払い腰成功のコツである。
脚が弱いと踏ん張りが効かなくなり、相手に返されやすい原因にもなる。
また体重の軽い選手は、スクワットで強靭な体幹を手にいれることができ、力の差がある相手でも振り回されず、自分のペースに持っていくことができる。

まずは自重スクワットからはじめるのだ。
口から空気を吸い、腹圧をしっかりとかけ、ハムストリングスを伸ばすことを意識しながらスクワット。
慣れてきたら、ダンベルやバーベルを使ったウェイトを取り入れることもオススメだ。
払い腰を成功させるコツは、強い体幹と脚が必須である。

階段ダッシュ

筋力、持久力をともに鍛えることができる階段ダッシュ。
払い腰を成功させるコツには、筋力と持久力も必須。
ランニングでは得られない脚への刺激が、階段ダッシュでは得ることができる。

身近にある階段でトレーニング。
歩道橋や河川敷がオススメだ。地域の体育館や公園なども利用してみるのだ。
はじめての階段ダッシュはとてもキツイ。
階段ダッシュに慣れてきたら1セット、10本を目安に取り組んでみるのだ。

スクワットが苦手な方にもオススメである。

ロープ登り

武道場などに大抵はぶら下がっているロープ。
ロープを使ったトレーニングは体幹、手、腕の筋力アップに最適である。
払い腰では相手を掴んで離さない手の力や、投げるときの腕の力が必須だ。
ロープでトレーニングすることにより、粘り強い筋力がつくのだ。

ロープ登りを行う際には脚を使わずに、手だけで登れるようになろう。
相手を引きつけることが大切な払い腰では、うってつけのトレーニングになる。

柔道では自分の体型にあった、得意技を選ぶべきである

柔道では自分の体型にあった、得意技を選ぶべきである

得意技は、自分の体型に適した技を選ぶべきである。
今回は柔道の基本技である、払い腰の紹介をしている。
しかし、それと共に自分の体型(身長、体重)にあった得意技を見つけることも大切だ。

払い腰に関しては、カラダが縦にも横にも大きい選手が得意としている。
たくさんの手技や足技もあるので、自分の体型を活かせる得意技を見つけるキッカケとして払い腰をトレーニングするのだ。

型を理解し、体幹と肉体を鍛えることが、払い腰を決めるコツだ

型を理解し、体幹と肉体を鍛えることが、払い腰を決めるコツだ

今回は払い腰を決めるコツとして、型の理解と3つのトレーニングを紹介した。

柔道の基本技である払い腰は、最初に習うことでなんとなく覚えてしまうが、型の理解に立ち帰ることで、払い腰のコツがわかるのである。
「自分の得意技が試合で決まらない」と悩んでいる方には、1度払い腰のトレーニングをして、新たな技を見つけるキッカケにもなる。
これを機に、払い腰を得意技の1つにすることもできるのだ。

また、払い腰を成功させるコツとして、3つのトレーニングを紹介した。
スクワットで強靭な脚を作り、階段ダッシュで持久力をつけ、ロープ登りで相手を引きつける腕力を手に入れることができる。
3つのトレーニングをすることにより、払い腰を成功させるコツも掴みやすくなるのだ。
自身のトレーニングにも、ぜひ組み込んでほしい。

払い腰を決めるコツは、改めて型を理解し、トレーニングで強い体幹と肉体を手にいれることである。