「長距離競技をやっているけど、どんなケアをすればよいか分からない」
このように悩んでいる方も多いだろう。
私はNSCS-CSCSやNASM-PESというトレーナーの資格を取得し、さまざまな方に指導をしてきた。
さまざまなアマチュアプレイヤーと接するなかで、どんな悩みを抱えているか分かった。
この記事では、そんな私の経験を基に長距離選手にしてほしい寝る前にできるストレッチを紹介する。
長距離でよく使う筋肉やストレッチをした方がよい理由なども紹介するため、最後まで読んでほしい。
長距離選手がよく使う筋肉
長距離選手がするべきストレッチは、長距離競技でよく使われる筋肉だ。
そのため、長距離選手は競技で使われる筋肉を理解しないといけない。
具体的には、以下の筋肉がよく使われる。
- 下腿三頭筋
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 殿筋群
- 大腿筋膜張筋
下腿三頭筋
下腿三頭筋は、ふくらはぎにある筋肉をまとめていう。
具体的には、腓腹筋とヒラメ筋という筋肉である。
下腿三頭筋は、つま先を下に下げる際に使われる筋肉だ。
長距離競技では、何度も繰り返しつま先が下に下げる動きが行われる。
そのため、特に下腿三頭筋が疲労しやすい。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの前側の筋肉をまとめていう。
具体的には、内側広筋・中間広筋・外側広筋・大腿直筋の4つの筋肉である。
大腿四頭筋は、股関節を曲げる動きと膝を伸ばす動きで使われる。
ハムストリングス
ハムストリングスは、太ももの後ろにある筋肉をまとめていう。
具体的には、半腱様筋・半腱様筋・大腿二頭筋の3つの筋肉である。
ハムストリングスは、股関節を伸ばす動きと膝を曲げる動きで使われる。
人の身体のなかで最も肉離れしやすいのが、このハムストリングスだ。
そのため、日頃からケアをする必要がある。
殿筋群
殿筋群は、お尻にある筋肉だ。
具体的には、大殿筋・中殿筋・小殿筋の3つの筋肉だ。
股関節を伸ばしたり外に開いたりするときに使われる。
また、片足立ちになる際に身体を安定させるために使われる筋肉だ。
長距離選手は長い時間を走るため、何度も片足立ちになる。
そのため、長距離選手は絶対にケアしてほしい筋肉だ。
大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋は、太ももの外側にある筋肉だ。
殿筋群と同様で片足立ちの際に身体を安定させたり股関節を外に動かしたりする際に使われる。
安定して長い距離を走り続けるためにも、大腿筋膜張筋のケアが必須だ。
長距離選手に毎日してほしいストレッチ7選
ストレッチは日々のコンディショニングを整えるのに大事であるため、長距離選手に毎日してほしいストレッチを紹介する。
各部位1セット20秒を目安にストレッチしよう。
疲れている部位は、セット数を増やしてほしい。
腓腹筋ストレッチ
腓腹筋のストレッチ方法は、以下の通りである。
- 脚を前後に開く
- 後ろ脚の膝を曲げずに脛を前に傾ける
注意点は、以下の通りだ。
- 後ろ脚の踵は地面から離さない
- 両足のつま先は真正面を向ける
ヒラメ筋ストレッチ
ヒラメ筋のストレッチ方法は、以下の通りである。
- 脚を前後に開く
- 後ろ脚の膝を曲げる
- 脛を前に傾ける
注意点は、腓腹筋のストレッチと変わらない。
大腿四頭筋ストレッチ
大腿四頭筋のストレッチ方法は、以下の通りである。
- 横向きに寝る
- 上側の膝を曲げて足首を持ち踵とお尻に近づける
注意点は、以下の通りだ。
- 上側の太ももが外側に開かないようにする
- 背中が丸まらないようにする
ハムストリングスストレッチ
ハムストリングスのストレッチ方法は、以下の通りである
- 片脚を半歩前に出す
- 上体を前に倒す
注意点は、以下の通りだ。
- 前に出した脚の膝が曲がらないようにする
- 背中を丸めないようにする
殿筋群ストレッチ➀
殿筋群のおすすめストレッチ方法は、2つある。
1つ目の具体的なストレッチ方法は、以下の通りだ。
- 仰向けに寝る
- 片脚を抱え込み、対角に脚を引っ張る
注意点は、以下の通りだ。
- 反動を使わないようにする
- 頭は床につけたままにする
殿筋群ストレッチ②
おすすめの殿筋群ストレッチの2つ目は、以下の通りだ。
- 体育座りをする
- 片脚の足首を膝の上にする
- 脛と胸を近づける
注意点は、以下の通りだ。
- 背中をなるべく丸めないようにする
- 足首より上の位置で、膝の上に乗せない
大腿筋膜張筋ストレッチ
大腿筋膜張筋のストレッチ方法は、以下の通りだ。
- 肩幅程度の足幅で立つ
- 片脚を伸ばしたまま斜め後ろに持っていく
- 脚を動かした方向に上体を傾ける
注意点は、以下の通りである。
- バランスがとりづらい場合は、椅子や机を掴むとやりやすい
- 脚はなるべく身体から離した位置に移動させる
長距離選手がストレッチをした方がよい理由
長距離選手がストレッチをした方がよい理由は、以下の2つだ。
- 筋肉の柔軟性低下を防げる
- リラックスできる
筋肉の柔軟性低下を防げる
ストレッチをすると、筋肉の柔軟性低下を防げる。
長距離のパフォーマンスを上げるためには、練習をしないといけない。
しかし練習をしてケアをしないと、どうしても筋肉の柔軟性が低下しやすい。
柔軟性が低下するとパフォーマンスが下がるだけでなく、ケガをするリスクが上がる。
そのため、ストレッチを毎日して柔軟性低下を防がないといけない。
リラックスできる
ストレッチをすると、リラックスができる。
人には、交感神経と副交感神経の2つがある。
交感神経は興奮するとき、副交感神経は睡眠のようにリラックスするときに優位になる。
交感神経がいつも優位だと、身体がなかなか休まりません。
そのため、副交感神経を優位に作用させてリラックスできる時間をつくらないといけない。
ゆっくりと筋肉を伸ばすスタティックストレッチは、副交感神経を優位になりリラックスができる。
長距離選手におすすめのセルフケアグッズ
ベストコンディションで練習や試合をするためには、セルフケアを実施しないといけない。
近年では、さまざまなセルフケアグッズが多く販売されている。
その中でもおすすめのセルフケアグッズを3つ紹介するため、参考にしていただきたい。
ゴルフボール
ゴルフボールは、100円程度で購入できる。
使い方はシンプルで、足でゴルフボールを踏みコロコロ転がすだけ。
この方法で、足の裏の筋肉である足底筋膜をほぐせる。
簡単にできるため、ぜひ実践していただきたい。
フォームローラー
フォームローラーは、3,000~5,000円で購入できる
太ももにフォームローラーを当て転がす方法で、筋肉をほぐせる
走り方やクセによって張っている筋肉は変わるため、自分の状態に合わせて適切な箇所をフォームローラーでほぐしていただきたい。
マッサージガン
マッサージガンは、1万円程度で購入できる。
マッサージガンの特徴は、勝手に振動してくれることだ。
そのため、自分の気になる箇所にマッサージガンを当てるだけで筋肉をほぐせる。
ゴルフボールやフォームローラーで筋肉をほぐす場合は、自分で身体を動かさないといけない。
自分で身体を動かすとなかなかリラックスできない。
マッサージガンは、自分が動かなくてもよい。
つまり、リラックスして筋肉をほぐしたいなら、マッサージガンを使うのがおすすめだ。
長距離選手はストレッチを継続して自分の身体をケアしよう
常にベストパフォーマンスを発揮するために、毎日の練習で疲労した身体をケアするのが大事だ。
ケアをおろそかにしていると、パフォーマンスが低下するだけでなく、ケガをするリスクも上がってしまう。
そのため、今回紹介したおすすめのストレッチやセルフケアグッズを参考に、身体のケアを習慣化しよう。