バスケットボールにおいて、シュートフェイクは非常に有効なオフェンス手段の一つだ。
シュートフェイクはディフェンスを惑わせ、得点へと導くことができるため、熟練したプレイヤーたちはその技術を駆使している。
しかし、シュートフェイクの成功率はどこにあるのだろうか?
実は、その上手下手は下半身に関係している。
今回は、バスケットボールにおけるシュートフェイクの上手下手についての要素や、下半身の重要性について解説していきたい。
バスケットボールにおけるシュートフェイクのメリット
バスケットにおいて、シュートフェイクは非常に重要な技術の一つだ。
シュートフェイクの重要性は様々であるが、次の3点が最も重要視される理由であろう。
相手選手のディフェンスを崩すことができる
シュートフェイクをすることで、実際にシュートを打たなくとも、相手の守備意識を上げることができるのが一番のメリットだろう。
バスケットボールは基本的にはパス・ドリブル・シュートの3択がオフェンスの方法だが、これにシュートフェイクが加わることでオフェンス方法が4択となれば、ディフェンスにとって選択肢が増えてしまい、かなりの脅威となり得る。
また、一旦フェイクを成功させることでの報酬は大きく、相手選手のディフェンスには完全に迷いがでる結果、守りのみのディフェンスとなりやすく、スティールを狙うような攻撃的ディフェンスができなくなることが多い。
得点機会を増やすことができる
シュートフェイクによって相手選手を引きつけ、その隙間を突いてシュートを打つことができれば、得点機会を増やすことができる。
もちろん、シュートフェイクの後にパスやドライブにつなぐことも可能ではある。
ただ、ノーマークでシュートを打つことほど、シュート成功率を上げる方法は他にない。
シュートフェイクが成功した後に、ノーマークでシュートを打つことは、何よりの得点機会なのである。
チームの流れを変えることができる
シュートフェイクが成功すると、チームのモチベーションが上がり、攻撃の流れが変わることがある。
シュートフェイクは華麗で魅力的テクニックでもあるのだ。
また、シュートフェイクによってディフェンスからファウルをもらえる確率もかなり向上し、バスケットカウントワンスローや、シュートが失敗してもフリースローなどの得点機会を生み出すこともできる。
以上のように、シュートフェイクはバスケットにおいて非常に重要な技術の一つであり、うまく使いこなすことができると、オフェンスにおいてかなりの幅が得られるようになる。
シュートフェイクに必要な要素
相手をだますためのシュートフェイクには、どんな要素があるのだろうか。
基本的に重視されているのが、
- 目線
- ボールキャッチからリリースまでが一定
- ボールポジション
の3つだ。以下で説明していく。
目線
まず一つ目は目線だ。
オフェンスにとって、視野は重要だ。
パスやドリブルを成功させるにはコート全体をもしくはパスする相手、マッチアップする相手を見る視野が必要だが、シュートの時だけはリングに焦点を当てなければならない。
それはバスケットボールプレイヤーの誰しもがわかることであり常識的なことだが、それを逆手に取って、「目線」をシュートフェイクという強力な武器にすることも可能だ。
オフェンス側がゴールを見るだけでディフェンスは反応し、あわよくばシュートチェックで飛んでくれるという特典までついてくる。
目線はシュートフェイクにとって重要だ。
ボールキャッチからリリースまでが一定
シュートフォームに入る前のタイミングは選手によって様々だ。
キャッチ&クイックリリースで速いシュートを打つ選手もいれば、ゆっくりとしたフォームから一定の間隔でシュートを打つ選手もいる。
クイックリリースが得意な選手は相当なシュートの練習量、瞬時にボールをベストポジションに持っていくハンドリング、シュートを打つか打たないかの判断といった能力が高い選手ほど、シュート成功率を上げることができる。
一方、クイックリリースではなくてもシュートを打って高い得点率を有する選手もいる。
もちろん、試合中はディフェンダーがついてくるわけで、振り切れなければそのままシュートを打っても、シュートブロックされるどころか、シュート体制にさえさせてもらえないだろう。
では、どのようにしてディフェンスを振り切るのか。
それは、ボールをキャッチしてからシュートリリースするまでの間隔をどんなときでも一定にすることだ。
ボールキャッチしてからシュートリリースするまでの時間が一定でワンテンポ置く選手ほど、ディフェンスから詰められやすく、シュートチェックにあう可能性が高い。
しかし、この一定の間隔を置くことを逆手に取る選手は、ディフェンスを引き寄せたり、飛ばせたりできることを知っており、シュートフェイクにかかりやすい環境を作っている。
シュートフェイクが成功した際には、完全なフリーの状態を得ることができる。そして、自分のベストのシュートを打って得点を重ねられることになる。
ボールポジション
バスケットのシュートフェイクを行う際に、ボールの位置は非常に重要だ。
基本的には、シュートフォームのポーズでボールを持つことで、相手を警戒させることで効果を発揮する。
ただ、シュートフォームには個人によってばらつきがあるので、「トリプルスレット」を意識してみてはどうだろう。
トリプルスレットは「三つの脅威」と呼ばれ、パス・ドリブル・シュートの3つをいつでも始められるボールポジションだ。
ボールをある一定の位置に持つだけで、パス・ドリブルにも転じやすく、ディフェンスを後手に回すことができる。
ディフェンスにとって、こんな怖い脅威は他にない。
下半身で差をつける
ここまで、シュートフェイクに必要な要素を紹介してきた。
いずれも、シュートフェイクに必要な要素だが、これらの3つの条件をそろえていても、シュートフェイクの成功率を落としてしまうものがある。
それは「下半身」だ。
シュートフェイクが下手な選手は膝や股関節を使わず上半身だけでシュートフェイクを行う傾向にある。
ボールをもらった瞬間に、膝関節や股関節がまっすぐ伸びている選手には、何の脅威も感じないことはディフェンスにつくどんな選手からみても理解できるだろう。
百歩譲ってパスは出来たとしても、鋭いドライブや決定率の高いシュートは、伸びきった下半身では絶対に生み出せないのだ。
シュートフェイクが上手い選手は、ドライブ、シュート、パスにいつでもいける態勢を整えているので、ボールをもらった瞬間にまるで獲物を狙う獣のように股関節や膝関節をまげていることが多い。
この状態に前述した3つの要素が加われば、シュートフェイクの盛う高率は大幅にアップするだろう。
まとめ
ディフェンスをあざむくシュートフェイクは、身に着ければオフェンスにとって最強の武器になりえる。
成功すればフリーの状態でベストショットを打つことだけではなく、素晴らしいパスやドライブにも繋げられるからだ。
また、基本的なパス、ドリブル、シュートといった動作を、いかに下半身を使って試合中に繰り出せるかが鍵となるだろう。
そのためには、下半身やスタミナなどフィジカルを身に着けることも大事になる。
シュートフェイクの要素を理解しつつ、上級者のプレイを見ることや、失敗と成功体験を繰り返し探求してコツをつかむことができれば、シュートフェイクの上達が成されるかもしれない。