この記事を見ている現役ラガーマンや
ラグビー経験者も強烈に印象が
残っているはずだ。
ラガーマンにとって、高校ラグビーは
特別な存在であることは間違いないだろう。
中学から高校に進学して身体が急激に
大きくなる人や、どんなに食事を摂取して身体を
大きくしようとしても、大きくならない人もいる。
そういった身体的な差が
一番大きく影響する高校ラガーマン時代、
著者である私も高校ラグビー時代、身長や体重、スピード
どれをとっても平均以下の数値だった。
しかしそんな私でも花園常連校(奈良県)で
レギュラーを獲得できたのだ。
この記事を見ている現役ラガーマンには
ぜひ実践して欲しい。
何かを購入しなくても、
特別なポテンシャルが必要な訳ではなく、
今スグにでも始められることだ。
大切なのは3つのことを「やり続ける」こと。
さっそく実践していき、
ライバルと差をつけてレギュラーを勝ち取ろう。
意識していた3つのこと
- ケガをしないプレーヤ―になる。
- 低くて鋭いタックルを身につける。
- ボールキャリアではなくサポートプレーに徹する。
この3つを意識して自分の武器にすることが
身体能力に恵まれていないプレーヤーが
レギュラー獲得に大きく近づくことができる方法。
ではやり方を説明していこう。
その1・ケガをしないプレーヤーになる
ケガをしないプレーヤーとは
身体を張らないプレーをするような
「逃げ」の意味合いではない。
どんなポジションでもコンタクトプレーは発生する。
レギュラーを目指しているなら
なおさら激しいプレーが求められる。
ケガをしないために大切なことは
とにかく「身体を柔らかくする」ことだ。
おそらく練習前のストレッチはみんな行っているだろう。
ストレッチは行うタイミングが
とても大切で、身体が温まっている時にやるのが
一番柔軟性を持たせるには効果がある。
1つのストレッチに対して30秒継続して行い、
その際はとにかくゆっくりと深呼吸を
しながら行うことが大切だ。
ゆっくりと深呼吸をしながら行うストレッチだが、
身体が温まっていない時に
激しい無理なストレッチをすると
筋肉や靭帯に負荷がかかってしまい、
むしろ逆効果になってしまう。
なので練習前には他のメンバーよりも
少し早めにグランドに行き、
とにかくストレッチを入念に行うことが大切だ。
ストレッチの内容は、
各チームのコーチや監督から教えてもらうのも良し。
YouTubeでストレッチの動画を検索して
自分に合ったストレッチを探すのも
一つの努力かもしれない。
また家でストレッチを行う時は、
お風呂あがりで温まった状態で行うのが
ベストタイミングだが、高校ラガーマンには
リフレッシュタイムも大切で
スマホで動画やテレビを見ながら
ストレッチをすれば、
最新の流行に乗り遅れることなく
柔軟性まで手に入る、まさに一石二鳥だ。
日常生活の何気ない動作の中に
ストレッチを混ぜ込むだけでも
効果はかなりある。
寝そべって動画を見るのではなく、
例えば座って前屈をしながら動画を見たり、
お風呂の湯に浸かっている時は、
足をマッサージしながら浸かったり、
ストレッチをしながら歯磨きをしたり、
日々何気なく行っていることにプラスの意識をすることで
身体に柔軟性が加わり、ケガのしないプレーヤーに近づく。
この記事を見ながらでもいい、
ストレッチをしながら日常生活を送ってみよう。
2・低くて鋭いタックルを身につける。
低くて鋭いタックルは高度な技術に
思えるかもしれないが、そうでもないと私は思っている。
重心が低くて突き刺さるようなタックルが
出来るのは、高校ラグビーに関わらず
どのレベルでも重視される能力の1つ。
私の独自の見解だが、重視されるのは「低さ」が
試合中になかなか出来なくなってくるからだ。
激しいプレーを続けていると、息が上がり
呼吸が乱れる。そうすると大きく息を吸いたいと
身体は反射的に姿勢を上げようとする。
つまり低い姿勢というのは
しているだけでも疲れる姿勢なのだ。
だから試合中になかなか継続して
低くタックルをできる選手はなかなかいない。
この反射的に上がる動きを抑える為に
日々の特訓と意識で身につけていく。
常に低くすることを意識することが出来たら、
次はタックルについてだがタックルをする時に
一番大切な意識が「狙いを定める」ことだ。
相手の身体のどの位置にタックルを入るか、
正確には相手のどのあたりに
自分のどちらの肩を当てにいくかを
イメージしながらプレーをすることが大切だ。
例えば、相手の足首に右肩で
突き刺さるようにタックルをする。
そのためにディフェンスの時は
それに合わせてタイミングを見計らう。
これは1日では絶対にできない。
毎日何度も繰り返し意識と実践を
繰り返して身につくものだ。
そして最後にタックルに「鋭さ」を
意識するためには、自分の足の踏み込み位置が
キーポイントになってくる。
私はトレーニングの一環で
格闘技や柔道にレスリング、ボクシングなども
取り入れて行ってきた。
たくさんの競技を取り入れる中で
分かったことは、
"自分の力を相手に一番効率良く伝える方法は、
自分の身体の中心を相手の身体の中心に合わせる"
ということ。
ではタックルをする時にはどのように意識すべきか。
右肩でタックルをするなら右足を、
左なら左足を相手の身体の中心に足を持っていくことが重要である。
タックルで相手を狙う時は、
肩で狙いを定めると足の踏み込みポイントの
タイミングがずれてしまい、鋭いタックルは成立しない。
自分の足を相手の中心へ持っていくことを意識する。
足を踏み込めば自分の肩は勝手についてきて
相手の懐に突き刺さるようになる。
この時必ず意識しなくてはいけない事が
もう1つ、基本的なことだが相手が自分の右側にいるなら
右肩で、逆なら左肩でタックルをすること。
これはタックルを安全に行うためにも
必ず注意してもらいたいポイントである。
いわゆる首の位置が逆になってしまう「逆タックル」は
首の大事故に繋がる危険性があるため、
ここは何よりも注意して意識しよう。
狙いを定める時は、全速力で相手に向かっていくと
左右の動きについていけずタックル成功率が
かなり低くなってしまう。
そのため動き出しは相手との距離を
詰めるために100%のスピードで前進し、
相手との距離が2mになるまでは70%ほどの
スピードで様子をうかがい、
2m以内になったらスピードを
100%にして足を踏み込んでいく。
ぜひこの、100%・70%・100%の順番を
意識してほしい。トップレベルの選手の動きを
YouTubeなどで見てもらいたい。
この動きが実践されているはずだ。
この動きはタックルを武器にするタックラーに
とって重要な意識になってくるので頭に入れておこう。
勘違いのないように伝えておきたいことは、
タックル=低いタックルが正解ではない。
時には相手の上半身にタックルをして
ボールに絡んでいく必要のある場面もある。
ただ今回は、身長や体重、足も遅いという
3拍子揃ったプレーヤーが意識すべきことである
ということは説明しておきたい。
3・ボールキャリアではなくサポートプレーに徹する
身体が小さくて足も遅いプレーヤーが、
わざわざボールキャリアに積極的になる必要はない
と私は考える。それよりも味方プレーヤーを
活かすためのダミープレーやサポートプレーに
磨きをかける方がよっぽどチームに貢献できると考える。
例えばだが、
自分はボールを味方プレーヤーからもらう気が無いとする、
この時相手プレーヤーはこちらの心理までは分からない。
もちろんその場に突っ立っているだけでは意味がなく、
最悪味方プレーヤーからパスが来ても受け取れる心構えは必要だ。
やたらと大きな声で自分にパスをくれと
味方プレーヤーを呼んだり、相手プレーヤーの
密集しているところのボールを持たずに
走りこんだり、目線でフェイントをかけたり、
疲れていると見せかけて急に全速力で走りこんだり。
ダミープレーは味方プレーヤーを
活かすためのサポートプレーなのだ。
身体は小さくても顔の表情や目線、ジェスチャーなどを
使って相手プレーヤーを惑わせることはできる。
これを続けていると相手プレーヤーは
ボールキャリアになるはずのない身体の小さな選手が
「もしかしたら来るかもしれない」と
頭に記憶として残り、知らず知らずのうちに肉体的に
疲れていくことになる。
ラグビーにおいて相手プレーヤーを
疲れさせることはすごく重要なことで、
身体の大きなプレーヤーが突進することで
相手は体力を消耗する。
また足の速いプレーヤーはスピードで
相手プレーヤーを振り回し体力を削ることが出来る。
では身体が小さく、体重も軽くて
足の遅い選手は何ができるか。ダミープレーだ。
これはどんな選手でもできる。
自分の体力が無くなってきても声は出るはずだ。
声を張ってまだまだ体力に余裕があると
見せかけることが出来る。
知人のボクシング経験者が
こんなことを話していた。
「ボクサーは殴られて痛くても表情に出さない」。
ボクサーに限らず言えることだが、
スポーツや格闘技はいかに相手プレーヤーを
あざむくかという心理戦が発生する。
身体の小さなプレーヤーが生き残るために
行うことはどんな競技も同じなのだ。
もちろん意識はすぐにできる。
でも身につくには日々のトレーニングで
意識し続けることしかない。
これが生き残るための唯一の手段だと私は思っている。
最後に結論として
3つの意識について述べてきたが、
これらの内容について科学的に
根拠がない部分も説明してきた。
しかしこれらのことは高校ラグビーの
花園常連校(奈良県で黒のユニフォーム)で
レギュラーを勝ち取った私が実際に意識していたことだ。
レギュラーに選ばれた時の身体は、
身長170㎝体重68㎏で足はかなり遅い。
三拍子そろったプレーヤーだった。
ただ述べた3つの意識を実践していたことで
レギュラーを獲得し、その後大学へ進学しても
1年生からレギュラーを獲得し、社会人ラグビーでも
活躍できたことが1つ証明だと思う。
ラグビーはどんなプレーヤーにも
チャンスのある素晴らしいスポーツだと思う。
ぜひ意識改革をして1人でも
レギュラー獲得のヒントになればと思う。
さあ今からやってみよう。