ゴーリーが強いチームは強い。
みなさんは聞いたことがあるだろうか。

<地上最速のスポーツ>と呼ばれることもあるラクロスでは、攻撃が有利といわれている。 しかし逆に考えると、シュートを止めて自チームの攻撃の機会を増やすことが勝利に大切な要素であると考えることもできる。
そして、そのために必要なのが高いセーブ率だ。
今回は、ゴーリーのセーブ率を高めるための効果的な体の動かし方やフォームのポイントについて紹介していく。

最速で体を動かすためのコツとは

セーブ率を上げるために大切なポイントがある。
それは、最速で動くこと。そして再現性が高いことだ。
再現性においては数をこなすことが大切なので、ここでは「最速で動く」にポイントを絞ろうと思う。

最速で動くためには、まずシュートを打たれる前の「構え」が大切だ。
構えとは、、

  • 足幅
  • つま先の向き
  • 重心の位置(前後左右、上下)
  • クロスの持ち方、位置、角度

等がある。

ここではオーソドックスな構えを紹介していく。
身長や体格が人それぞれ違うように、自分に合うもの合わないものがある。
どうしたら良いか分からない、自分に合う構えが見つからないという方は参考にしてみてほしい。
オーソドックスな構えから少しずつ変えていったり調整していくと良いだろう。

足幅は肩幅より少し広め、つま先は正面にまっすぐ(内股、ガニ股にならない)
この状態でかるくジャンプ。
着地し、膝が軽く曲がっている状態。
この状態が一番動き出しやすい構えといる。
そして重心は少し前。かかとが浮いているか浮いていないかくらいがちょうど良い。

この重心の位置は悩む人が多いポイントではないだろうか。
絶対的にいえることは「後ろ重心にはしない」ことだが、前重心を意識しすぎて逆に動き出しが遅れる例もある。
例えば、、

  • 母指球に重心をのせることを意識しすぎて足にだけ力が入りすぎる
  • 前に前にと意識しすぎて体が縮こまる
  • 前に体重を乗せすぎて、打たれるまで構えをキープできず、動き出す瞬間に一回かかとをつけてから動き出す

等だ。

私の場合は例にも挙げているが、かかとを上げて母指球に体重をのせることを意識すると、一度かかとをつけてから動き出すという無駄の多い動きになっていた。
そのため、かかとはあまり上げず、腹筋背筋を意識して上半身も使い重心を前にすることを意識している。
いろいろな重心ののせ方を試し、自分にあった構えを見つけてみてほしい。

最速で体を動かすためのコツとは

そして、クロスの持ち方、位置、角度。 これも人それぞれで、苦手コース・得意コースに応じて変えても良い。 オーソドックスな構えは、

  • クロスはボトムハンドをトップハンドより少しだけ前に出す。
  • クロスは寝かせすぎず立てすぎない。

この寝かせる、寝かせないについてはメリット、デメリットがある。
クロスを寝かせる(横にするイメージ)と、下のショットに対しては止めやすくなる。
クロスを落とすだけでよく、最短距離で動かしやすいからだ。
しかし、クロスと逆側の上のセーブ(右利きの場合、左上)に関してはクロスの面が遠ざかるため、時間がかかってしまう。
クロスを寝かせず立たせるとこのメリット、デメリットが逆転する。
このように、クロスの角度により各コースの止めやすさが変わってくるため、自分の得意不得意コースを踏まえて調整してみてほしい。
(写真の構えはちょうど中間くらいの構えである)

次は、動き出しを早くすることを考えていこう。
動き出しを早くするためには、「腰から動く」ことが大事だ。
なぜ腰からなのか。というと、足を出すことを意識すると、足が浮いてしまう。
そのとき、出したい足と逆足に体重が乗ってしまい、無駄な動きが増えてしまう。
また、動きたい方向と逆の腰から押し出されて動くイメージを持つと無駄なく最速で動くことができる。

例えば、利き手ではない側の下のセーブフォーム(右利きの場合、左下のセーブ)
この場合は左腰を押されて倒れるようなイメージで動くと良い。
実際に誰かに腰を押してもらうと感覚をつかみやすい。

このように、腰からシュートに対して反応することによって、最短距離で体と足を出すことができる。

最速で動かすためのクロスの動かし方とは

最速で動くためにはクロスも最速で動かす必要がある。
そのためには「最短距離で直線的に」動かすことがポイントだ。
最短距離で動かすためには、「クロスを回さずスライドする」ことが大切だ。
これはどのコースに対しても同様である。

特に難しいと言われているオフヒップのセーブ(右利きの場合、クロスがない左側の腰辺りのショットに対するセーブ)
このコースは特にクロスが回りやすく、多くのゴーリーが苦手としている。
ここで重要なのがボトムハンド(下の手)だ。

このコースを最短距離でセーブする場合、ボトムハンド主導で、エンドをボールにあてに行くようなイメージでセーブをする。
このとき注意点がある。
それは「エンドが上を向いたり、後ろを向いたりしないこと」だ。
エンドが上を向いているということは、クロスが回ってきていることを示す。
エンドが後ろを向いているということは、ボールに対して面が向いていない、体が残ってしまっていることを示す。

これも誰かに引っ張ってもらうと感覚をつかみやすい。

以上、セーブ率を高めるための体の動かし方やフォームのポイントを解説してきましたが、いかがだっただろうか。
すでに記載したが、オーソドックスなものを挙げており、合う合わないは個人差がある。
そのため、いろいろな構え・動き方を試してみると自分に適したプレースタイルが見つかるはずだ。
この記事がみなさんのセーブ率向上に役立てば幸いである。