夏の風物詩とも言える「全国高校野球選手権大会」。各大会ごとにアツいゲーム展開と感動の嵐が巻き起こる中、ひときわ注目の大会となったのが2018年度です。

2018年度の全国高校野球選手権大会では、中川卓也選手が主将を務める大阪桐蔭が「春夏連覇」を果たした記憶にも記録にも残る試合が盛りだくさんでした。中川卓也選手は、例年、甲子園常連校として注目が集まっていた大阪桐蔭の「最強世代」の主将としてチームに貢献、そして大阪桐蔭は、対戦校に圧倒的な強さを見せつけて順当に勝ち上がり、秋田の金足農業との決勝戦を13対2で見事優勝を果たしました。

そんな春夏連覇の大阪桐蔭の主将としてチームを牽引していた中川卓也選手は、プロ志望届を提出せず、進学の道へと進みました。大阪桐蔭の同期は黄金世代と呼ばれる「根尾昂選手(現:中日ドラゴンズ)」「藤原恭大選手(現:千葉ロッテマリーンズ)」「吉田輝星選手(現:日本ハムファイターズ)」「小園海斗選手(現:広島東洋カープ)」4名はそれぞれプロの道で活躍しています。

中川卓也選手が選んだ大学は、早稲田大学。入学後から春季リーグに出場するほど、メンバーに抜擢、そしてチームに貢献していました。

そして、そんな中川卓也選手がドラフト注目の的になったきっかけが2021年秋季リーグでの成績だったのです。それまでの中川卓也選手の打率は.220前後と伸び悩む時期に直面していましたが、2021年秋季リーグ戦では.333をマーク。打席数は48試合とあまり多くはないものの12安打、5二塁打、9得点とチームの貢献者として活躍していました。

大阪桐蔭「最強世代」の主将としての情熱心と高いポテンシャルを兼ね備える「中川卓也」選手

高校野球において常連校、そして最強と名を挙げている「大阪桐蔭」。2018年度は、最強世代と名を轟かせるほどの強さを誇っており、そこで主将を務めていた中川卓也選手は早稲田大学でも高校時代の情熱心と高い野球能力を発揮していました。

身長は175cmながらもバットを握るとそのオーラは桁違いです。早稲田大学の内野手としてチームに根付くまでの期間、大阪桐蔭時代では体験してこなかった大学野球を肌で感じ、自身の野球センスと融合させていったのです。

野球に対してアツい意気を感じさせる中川卓也選手は、他選手よりもひときわ目立つオーラを放っているため、早稲田大学では1年春から内野手として起用されました。

当時(学生時代)のチームの雰囲気と中川卓也選手ならではのプレイスタイル

2022年当時のチームの雰囲気は、中川卓也選手のリーダーシップを軸にチームを牽引してきて、常に向上心と活気が溢れる非常に状態の良い雰囲気だったのです。

そして大阪桐蔭、早稲田大学で主将を務める中川卓也選手ならではのプレイスタイルは、チーム内においてミート力抜群の内野手だったのです。長打力はあまり強くないものの高校時代から兼ね備えている「選球眼」はレベルが高いことから、ボールを引きつけて安打を稼ぎチームのチャンスを作る立役者でした。

その鋭い選球眼から、2021秋季リーグ戦では48打数中、11四死球と粘り強さが目立ちました。その後も選球眼も発揮し、早稲田大学の内野手として起用され続けました。

2022年度のドラフトにて注目とされていたが指名漏れ…その根底にあるものは、大阪桐蔭時代に比べて「打撃成績があまり良くない」現状だった。

大阪桐蔭から早稲田大学までスタメンとして試合に出場し、チームの柱として活躍してきた中川卓也選手が2022年度のドラフト会議でまさかの指名漏れとなってしまいました。スカウト陣からも高評価の声が多く、プロの道でも活躍してくれると期待されていたが、指名漏れ…これには大きな欠点がありました。

中川卓也選手の指名漏れの原因は「打撃不振」だったのです。入学した2019年度の春季リーグから内野手として試合に出場しているものの、大学野球のレベルに圧倒されたのか打率が

.200ほどと伸び悩んでいたのです。

大阪桐蔭時代からは想像できない成績ですが、打率低迷の原因が「安打率」でした。

最もドラフトで注目の声が掛かるとされる2022年秋季リーグ戦では、打率が.118と持ち前の抜群のミート力を発揮できずにいたのです。また、43打席に対して4安打と、非常に打撃成績が低いことがスカウト陣からの期待を遠ざけてしまいました。

指名漏れとなった矢先の進路は、独立リーグもしくは社会人野球なのか。

1年春から早稲田大学の内野手として起用され、持ち前のミート力でチームに貢献。そして主将としてリーダーシップを牽引していた中川卓也選手が、打撃不振に陥りドラフト指名漏れを喫しました。

そんな中川卓也選手の進路先は、地方の独立リーグもしくは社会人野球として再度ドラフトの注目の的として返り咲くのでしょうか。そして、いつか野球人生を共にしてきた仲間と同じ舞台で活躍する日がくるのか、今後の中川卓也選手の躍進に期待がかかります。