ハンドボールは相手より多くの得点を取り合った方が勝利するスポーツだ。1回の得点で複数得点がある野球やバスケットボールと違い、ハンドボールはどんなシュートでも得点は1点である。

ハンドボールは攻撃が有利なスポーツであるため、シュートを外すと即失点につながってしまう危険性がある。そのためエースには、より多くのシュートを打ち、多くの得点を決めることが役割として求められる。

今回はハンドボールの必須スキルであるジャンプシュートを解説していく。エースになるために周りと差をつける大切なことを3つにまとめたので、ぜひ実践してもらいたい。

正しいジャンプシュートのフォームは1つとは限らない

ジャンプシュートのフォームに正解はない。上に高く跳んだり、ディフェンスをかわすように体を傾けて横に大きく跳んだりと試合状況によって求められるジャンプシュートが違うからだ。

一般的にジャンプシュートは利き手と反対の足で踏切、上に高く跳ぶことを意識して非利き手側の肩と腰をいれてオーバースローのように投げることが基本とされている。自分のジャンプ力とシュート力に自信があるのなら、基本的なシュートフォームでもある程度のレベルには通用するかもしれない。

しかし、県大会上位や全国大会でも通用するエースになるためにはそれだけではだめだ。周りと差をつけるには、上に高く跳んだ状態からサイドスローのフォームで打ったり、ジャンプを横に大きく跳んだりしてみる意識を持つことが大事だ。

上に高く跳んだ時にオーバースローのフォームでディフェンスのブロックに引っかかると思ったら、サイドスローならブロックをかわしたりすることができる。横に大きく跳びプロンジョンシュートぎみに打つことで、ディフェンスの空いているスペースからシュートを放つことも可能になる。

シュートフォームに選択肢を持つことで、自分より身長がはるかに大きいディフェンスがきても、ジャンプシュートを打ちきれるようになる。相手にとっても選択肢が多いプレーヤーは守りづらい印象を与えるに違いない。

同じタイミングで何度もシュートは打たない

自分が打ちやすいタイミングばかりで打っていては通用しない。シュートフォームと同じで状況に合わせてタイミングも変化が必要で選択肢をもつことが大事となる。

自分が打ちやすいタイミングでしかジャンプシュートを打てないのであれば、ディフェンスやゴールキーパーからしたら守りやすいプレーヤーになってしまう。クイックシュートや大きく溜めてジャンプシュートを打つなどジャンプシュート1つ1つに工夫を凝らすのだ。

エースとは相手プレーヤーに嫌がられる存在でなくてはならない。クイックシュート1つにとっても2歩で打ったり、1歩で打ったりとタイミングに変化をもたらすことを意識しよう。ジャンプを踏み切るタイミングのほかに、腕の振りの速さもコンパクトに振るとより相手は守りづらいに違いない。

相手にジャンプシュートのタイミングを読まれないことが大事だ。自分がうてるタイミングの選択肢をより多く持つことが必要となってくる。周りと差をつけるには、練習からジャンプシュートのタイミングは意識して身につけるべきだ。

シュートバリエーションを身につけろ

ジャンプシュートをストレートに打つ他、エースになるためにはシュート自体に変化を加えるシュートバリエーションも豊富にもっておいてほしい。

変化がある代表的なジャンプシュートはこちら

  • ループシュート
  • スピンシュート

ループシュート

普段のジャンプシュートと同じ腕の振りからゴールキーパーの頭上を緩やかな弧を描いてゴールに吸い込まれていくシュートのこと。ノーマーク時にゴールキーパーの位置取りが前に出てきたら使える有効なシュートである。

野球のチェンジアップと同じく、ゴールキーパーのタイミングを外す遊びのあるシュートなので、ゴールキーパーにループシュートを読まれてはいけないのだ。ジャンプシュートと同じ腕の振りからボールを抜くことが重要で、その際に手首を返してボールに縦回転を加えると、山なりにゴールへ落ちる軌道を描くことができる。

スピンシュート

ボールに回転を加え、バウンド時にゴールに吸い込まれるシュートのこと。ゴールの角度がないときに用いられることがある難易度が高いシュートである。

ループシュート同様にゴールキーパーのタイミングを外すシュートなので、スピンシュートも読まれずに打たなければならない。利き手を身体の方に畳み込むようにボールを寄せて、シュートを放つ際に手首でボールにスピンを加えるのだ。

スピンシュートの1つのポイントとして、ゴールの枠外を狙うこと。目安としてはゴールキーパーの足元がぎりぎり届かない位置でバウンドをさせてみるイメージで打ってみよう。スピンをかけていることによってバウンドでゴールに吸い込まれていくため、最初からゴールの枠内に入れる必要はない。

【まとめ】ジャンプシュートのフォームやタイミング、シュートバリエーションと様々な選択肢をもつことが大事

エースとは、得点能力があり相手から守りづらいと思わせる存在のことである。この記事ではジャンプシュートのコツを3つのポイントで解説してきた。

どの点でも共通して言えることは、プレー時に複数の選択肢をもつことが大事なのである。1つ1つのプレーに変化があるプレーヤーは的が絞れず相手から嫌がられる存在だ。

エースになるには、ジャンプシュートのプレー1つにとっても選択肢の幅を広げてみること。この記事を見て参考にしてもらいたい。