「サービスを打ったときに、攻撃されてしまう」
「ラリーの主導権を握れるようなサービスを打ちたい」
サービスに関する悩みは、全てのバドミントンプレーヤーに共通するテーマである。

特にダブルスは「サービスまわりを制する者が試合を制する」といわれるほど、
サービスの良し悪しが勝敗を左右する。

サービスでラリーの主導権を握れば、ゲーム全体をコントロールできるのだ。

この記事では、ダブルスのサービスでゲームの主導権を握るためのテクニックを紹介する。

筆者は20年以上の競技経験があるが、決してパワーやスピードに秀でたタイプではない。
それでもサービステクニックを磨いて全国大会への出場を果たした経験がある。
今回は基本編と応用編に分けてサービステクニックを紹介している。

自分の力量に合うテクニックを参考にして、サービスからラリーを
支配できるようになってほしい。

バドミントンのダブルスサービスの種類は2つ

バドミントンのダブルスでは、主に以下の2種類のサービスを使い分ける。

  • ショートサービス
  • ロングサービス

それぞれの特徴を確認しよう。

ショートサービス

ショートサービスは自分のサービスコート前方から、
相手のサービスコート前方に向けて打つショットである。

ダブルスのサービスコートはシングルスに比べて縦に72cm狭い。
コート後方に相手を追い込むロングサービスを打っても、簡単にスマッシュなどを打たれてしまう。

ラリー序盤から相手に強打されないためにも、ダブルスではショートサービスが基本となる。

ロングサービス

ロングサービスは自分のサービスコート前方から、相手のサービスコート後方に
向けて打つショットである。相手の頭上を越えるような軌道をたどるのが特徴だ。

先述の通りダブルスではショートサービスが基本だ。
ただしショートサービス一辺倒では相手に読まれてしまうため
ロングサービスも織り交ぜることで相手の逆をつく必要がある。

【基本編】ダブルスサービスでゲームの主導権を握るためのテクニック2選

【基本編】ダブルスサービスでゲームの主導権を握るためのテクニック2選

ダブルスのサービスでゲームの主導権を握るための基本的なテクニックは、以下の2つである。

  • ネットから浮かないサービスを打つ
  • 相手の構え方を見てロングサービスを織り交ぜる

それぞれ詳しく解説しよう。

ネットから浮かないサービスを打つ

ゲームの主導権を握るためには、サービスをネットから浮かないように打つことが大切だ。
サービスがネットから浮いてしまうと、たちまち相手からプッシュをくらい、
不利な状況からラリーがスタートしてしまう。

理想の軌道はネットの白帯付近を高さの頂点として、相手コートに入っていくサービスだ。
レシーバーからみて沈むようにフライトするシャトルは上から叩きづらく、相手も手を焼くだろう。

相手の構え方を見てロングサービスを織り交ぜる

サービスレシーバーの構え方を見て、ロングサービスを織り交ぜよう。
前のめりな構えで勢いよくプッシュしてくる相手には、ロングサービスが有効である。

前方に重心を置いており、コート後方に打つサービスには対応しづらいためだ。
適度にロングサービスを織り交ぜれば、相手のサービスプッシュを牽制する効果もある。

【応用編】ダブルスサービスでゲームの主導権を握るためのテクニック6選

ここからは応用編として、ダブルスのサービスでゲームの主導権を
握るためのテクニックを解説する。

応用テクニックは以下の6つである。

  • 自分の得意コースを作る
  • 相手のタイミングを外す
  • 相手のグリップの握りを確認する
  • 相手のラケットから遠い位置に打つ
  • 低い弾道のドリブンサービスを打つ
  • パートナーにサインでサービスの球種を伝える

詳しくご紹介しよう。

自分の得意コースを作る

自分の得意なサービスコースを作るようにしよう。
バドミントンは試合中、常に同じ精神状態でプレーできるわけではない。

例えば19-20の「1点取られれば負け」という場面では
平常心でサービスを打つのは非常に困難だ。弱気になるとサービスをミスしたり
消極的なプレーになったりしやすい。

自信を持って打てるサービスコースを認識していれば
1打目から強気にラリーできるため、メンタル面で優位に立ちやすい。

普段から「自分はどのコースのサービスが一番安定するか」を
念頭に、サービス練習をすることが重要だ。

相手のタイミングを外す

ラリーの主導権を握るカギは、サービス時に相手のタイミングを外すことだ。
誰しもサービスを打ちやすい自分の間合いを持っている。

ただしその間合いを読まれると、相手から鋭いサービスレシーブが飛んでくる。
自分の得意な間合いに加えて、以下のタイミングでサービスを打てるようにしよう。

  • サービスの構えに入ったら通常より打つまでの時間を長めにとる
  • 相手が構えたらすぐにサービスを打つ

通常のサービス6〜7割、テンポの違うサービス4〜3割の比率で
使い分けて、間合いをズラすのがおすすめだ。

相手はサービスレシーブのタイミングを掴みづらくなり、
あわよくばミスも狙えるだろう。

相手のグリップの握りを確認する

ショートサービスを打つ前に相手グリップの握り方を確認してから
サービスコースを決めよう。フォアハンドか、またはバックハンドでヒットするのか
相手は得意な握り方でサービスをレシーブするものだ。

フォアハンドが得意ならウエスタン気味に
バックハンドが得意ならサムアップ気味の握り方になる。

例えば相手がサムアップ気味に握っていたら、相手のフォア側にサービスを打とう。
相手はグリップの握り方とは反対サイドにサービスが飛んでくるので
スムーズなレシーブができなくなる。

またニュートラルな握り方をしている相手には、試合中に情報収集しよう。
フォアまたはバックのうち、得意な握り方でレシーブする回数が多くなるはずだ。

サービスレシーブの傾向を把握し、ゲーム後半のサービスに生かそう。

相手のラケットから遠い位置に打つ

ショートサービスは相手のラケットから遠い位置に打とう。
相手がサービスレシーブをフォアハンドで打つのが得意なのか
それともバックハンドなのかはラケットの位置にもあらわれる。

例えばサービスレシーバーが右利きの場合、
フォアハンドでの返球が得意なら体の右側にラケットを構えがちだ。
バックハンドでの返球が得意なら体の中央付近にラケットを構えるだろう。

相手がフォア側にラケット構えていたら
バック側にサービスを配球することで対応を遅らせられる。

ラケットの握りだけでなく、ラケットの位置からも相手のサービスレシーブのクセを見抜こう。

低い弾道のドリブンサービスを打つ

サービスで相手の不意を突くには、低めのドリブンサービスも有効だ。
ドリブンサービスは速く低い軌道でフライトするロングサービスの一種である。

ドリブンサービスは相手からすると勢いよくシャトルが飛んでくるので
急な対応が求められる。ミスを誘発しやすく、ラリーの主導権を握りやすい。

一度ドリブンサービスが決まると
相手はそれ以降もドリブンサービスを警戒するので
精神的なストレスを与えられる点も特徴だ。

ただしドリブンサービスは相手からの返球も速いだけに、自分のミスも多くなる。

また鋭い軌道のサービスを打とうとして打点が高くなりすぎると
フォルト(反則)になる可能性もあるので扱いにはご注意を。

パートナーにサインでサービスの球種を伝える

ラリーを始める前にサービスの球種をパートナーに伝えると
サービス後の連携が取りやすい。スムーズなローテーションにつながるので
攻撃的なフォーメーションをとるチャンスが増える。

サインで伝える内容はショートサービスを打つのか
またはロングサービスを打つのか2種類で十分だろう。
サービスの球種を伝える主な方法は、以下の2つ。

  • 自分の背面でハンドサイン作って伝える
  • 口頭で伝える

口頭の場合、相手に悟られる不安があるのでハンドサインがおすすめだ。
「人差し指を立てたらショート」「親指を立てたらロング」という具合で
事前にパートナーとサインのルールを決めておこう。

まとめ

今回はダブルスのサービスでラリーの主導権を握るためのテクニックをご紹介した。
シングルスに比べて、ラリー展開が早いダブルスではサービスの重要度が非常に高い。

相手の構え方やグリップの握り方など、有効なサービスを打つためのヒントは至るところに隠れている。

今回ご紹介したテクニックを参考に、サービスを武器のひとつにして
よりバドミントンの奥深さに触れてほしい。