プロ野球の世界でも投げる投手が増えている「ツーシーム」。

自分も投げてみたいと考えている人も多いのではないだろうか。今回はツーシームの投げ方や有効な場面について解説する。

ツーシームとは

ツーシームの「シーム」とは縫い目のこと。
ツーシームはボールが1回転する間に2回通過する握りのこと。
一方、ボールが1回転する間に4回縫い目が通過する握りをフォーシームと呼ばれている。
フォーシームはいわゆるストレート、直球のこと。

ツーシームは元々、ツーシーム・ファースト・ボールといわれ、直球系の球。
カーブやフォーク、スライダーのように、大きな変化をする変化球ではなく、スピードボールに少しだけ変化をつけて、バットの芯を外す変化球として活用されている。
ただし、ツーシームにも、握りによってさまざまな変化をするので、数々の投手がツーシームを投げる中で、変化の大きなツーシームを投げる投手も現れている。

参考:https://www.yomiuri.co.jp/sports/wbc/20230307-OYT1T50246/

ツーシームの投げ方

ツーシームの握りは投手によって様々であるが、一般的な投げ方について解説する。
ツーシームを投げる際は縫い目が狭くなっている部分に人差し指と中指をかけ、親指は人差し指の下に置いて投げる。

ツーシームはストレートと近い軌道となるので、握りも似ている。指の位置で変化する方向や量が変わるため、一般的な投げ方でまず試してみて、指の間隔を広げてみたり、狭めてみたりと、少しずつずらしてみて調整するとよい。
リリースの瞬間も手首を外側に向けるようにリリースすると変化量が大きくなるため、変化量を大きくしたい場合は試してみてもよいだろう。

腕の振りはできるだけストレートと近い振りをする必要がある。
ツーシームはストレートと近い軌道でバッターを打ち取る球種なので、相手打者にストレートだと思わせてスイングさせることも重要となる。
変化量を大きくしようとして腕の振りが緩んでしまうと、リリース瞬間に相手打者に読まれてしまうので気を付ける必要がある。

参考:https://変化球の投げ方.com/tu-si-mu.htm

ツーシームが有効な場面とは

ツーシームは主にバットの芯を外し、詰まらせるために使用する。
そのため、初球の入りとしては非常に有効となる。
大きな変化をしないため、ストライクを獲りやすいうえ、初球で詰まらせて打ち取ることができれば、
テンポよくアウトカウントを積み重ねることが可能となる。

また、右投手であれば、右打者の外角ぎりぎりに投げる球も有効となるだろう。
外角からシュート気味にストライクゾーンに入ってくるボールをバックドアといい、見逃し三振を狙える球として有効となる。
この投球術はメジャーリーグで多く使われており、メジャー帰りの黒田投手が多投したことから、日本のプロ野球でも多く使われるようになっている。

ツーシームを有効に使うには、力強いストレートがあるとより有効に使うことが可能となる。
ストレートが早い投手はバッターもストレートを狙ってくるため、少しだけ変化するツーシームで、詰まらせることができるだろう。

参考:曲がらなくてOK!ツーシームの投げ方【保険付きのまっすぐ】 | 幸せな野球バカ (siawasebaseball.com)

ツーシームを投げる主なプロ野球選手

プロ野球やメジャーリーグでもツーシームを使って打者を抑えている投手は多くいる。
ツーシームを武器にしている選手を3人紹介する。

①ダルビッシュ有投手

メジャーリーグで長年活躍するダルビッシュ有投手もツーシームを多く活用する選手。

150km代後半のスピードに加え、真横に横滑りのような軌道で威力抜群のツーシーム。 右打者の内角に投げ込むこともある、一方で左打者の内角に投げ込むこともあり、多彩な使い方をしている。 左打者の内角に投げた際はバッターにとっては向かってくるボールの軌道から横滑りし、ストライクゾーンに収まってくるため、非常に捉えにくい球と言えるだろう。

ダルビッシュ投手は持ち球も多く、ツーシームとは逆方向に大きく曲がるスライダーも投げるため、ツーシームを捉えるのは、簡単ではない。

参考:https://the-ans.jp/news/156131/

③山崎康晃投手

DeNAベイスターズの山崎投手のツーシームはシンカーのような軌道で変化する。
また他の投手よりも変化量が多いのが特徴でバットの芯を外すだけでなく、空振りが獲れる球種として活用している。

山崎投手はツーシームを投げる際に他の投手よりも指の感覚を大きく開けて投げている。
そのため、フォークボールに近い縦の軌道が加わっている。
ソフトバンクホークスの東浜投手も同じように落差の大きいツーシームを持ち球としているが、二人は亜細亜大学出身であることから、亜細亜ボールともいわれている。

他にも同じ亜細亜大出身の投手として、広島東洋カープの九里投手や薮田投手、阪神タイガースの高橋投手も縦変化のツーシームを活用しており、亜細亜大出身投手の特徴の一つとなっている。

参考:https://www.nagahitoyuki.com/2022/04/how-to-grip-and-throw-the-two-seam-fastball-of-yasuaki-yamasaki.html?m=1

ツーシームを有効に活用しよう

ツーシームは早いカウントから使うこともでき、非常に便利なので、是非とも習得したい球種の一つである。

ツーシームを活用することでカウントを整えることも、打者を打ち取ることもできるだろう。

一口にツーシームと言っても使い方はさまざまである。
プロの投手の活用も参考にし、自分のツーシームを確立してほしい。