ハンドボール1試合60分間で平均して何回攻撃回数が
訪れているか知っているだろうか。

答えは1試合平均でなんと50~60もの攻撃回数があるというのだ。
ハンドボールの1試合の総得点は30点前後で
あることから約2回に1回の割合で攻撃は成功し、
得点に結びついているということがわかる。

結果として1回1回の攻撃を大切に攻めていかないと
チームの勝利にも結びつかないということになる。

今回はハンドボールのオフェンスでチーム戦術の
基礎となる2対2の攻め方を解説していく。

攻め方のポイント

ハンドボールの攻撃は6対6ではなく、
基本的に2対2の連携から構成される。

ポストプレイヤーとバックプレイヤーによる
連携が重要となってくるのだ。

すなわち、ポストがいるエリアでバックプレイヤーは
攻めることが効果的といえる。

ポストの位置取りと移動ポストが相手ディフェンスを
崩す攻略の鍵となり、バックプレイヤーはディフェンスを
前に引き出す工夫が必要なのだ。

具体的攻め方としては、
ポストプレイヤー自身がボールを所持できるよう
スペースを確保してディフェンスを寄せつけないようにし、
バックプレイヤーはそのスペースを有効活用した攻め方をする。

バックプレイヤーは前を狙い、
ミドルシュートやカットインを狙いつつ攻撃を仕掛け、
ポストパスを通すためにも積極的に得点を狙う態勢が重要。

相手ディフェンスが前に出る場合は
ポストプレイヤーが空いたスペースに移動し、
自身でパスをもらってシュートを打つことができ、
前に出たディフェンスの進路をブロックし、
バックプレイヤーがノーマークでシュートを
打てるようにアシストするのも効果的だ。

または、ディフェンスのマークチェンジを
引き起こして攻撃展開の幅を広げることもできるだろう。

2対2を成功させるには、ポストプレイヤーが
前に出た相手ディフェンスにブロックを
かけるタイミングが重要となってくる。

バックプレイヤーがボールを持った瞬間に、
どれだけスムーズで効果的なブロックをかけ、
その後の展開を見極めつつ攻めることが、
得点の鍵となる。

バックプレイヤーはポストプレイヤーが
ブロックをかけるのを見てからその後のオフェンスの
展開を広げなければいけないので、
ボールをもらった瞬間はまずは止まる、
足を止めることを意識してみよう。

止まらずプレーを続行させてしまうと、
ポストプレイヤーのブロックが相手ディフェンスに
うまくかからず、2対2の有効なスペースが生まれないため、
結果的に攻めあぐねてしまう可能性が高い。

なので、バックプレイヤーは2対2を攻める時は、
ボールをもらったら一旦ストップすることを心掛け、
ポストプレイヤーと連携を図って、相手ディフェンスを
崩すことが大事となってくる。

クロスの攻め方や具体的なポイント

ポストプレーにおいてポストプレイヤーは
ブロックしやすくするために、重要なのは
相手ディフェンスの視野外から瞬間的に
ブロックすることが有効だ。

ブロックする意識が相手ディフェンスに
伝わってしまうと相手に対応されてしまい、
ブロックがかかりにくく、バックプレイヤーとの
連携も上手く図れない。

無理やりブロックしてしまうと、
オフェンスファールもとられかねない。

相手ディフェンスの距離とタイミングを考慮して
瞬間的にブロックを押し込むことで、
効果的な攻撃を展開できる。

ポストプレイヤーが相手ディフェンスにブロックを
かけやすくするのには、バックプレイヤーの動き方も
大事となってくる。

攻め方としては、平行にパスを回すだけでなく
時折、クロスプレーを交え相手ディフェンスの
マークミスを誘うのだ。

1人のディフェンスが複数人マークせざる得ない状況を
作れば、ブロックもかかりやすくなり、
ノーマークでロングシュートやミドルシュートを
打つことができる。

ポストプレーを有効的に作るにはバックプレイヤーが
クロスに入るタイミングを斜めにそのままシュートを
狙いに行くのではなく、攻撃展開の幅を広がせるために
少し横と後ろに膨らんで攻めることによって
攻撃の選択肢の幅が増えるのだ。

相手ディフェンスの動きに対応するためには、
状況に応じて切り返すことや、ブロックしての連帯からの
プレーが有効である。

相手が早く前に出て来た場合はブロックだけではなく、
空いたスペースに自身がパスをもらえる準備をするなど
状況によって、臨機応変に全員での連携が重要となるのだ。

バックプレイヤーで特にセンターのポジションは
ハンドボールの司令塔ポジションともいわれる場所なので、
相手の選手やチームの特徴を注意深く観察し、
状況に応じて適切な判断を行う必要がある。

そのためセンターからの2対2の場面は
スペースが狭いため、クロス攻撃が有効となる。

3枚目の選手が凹んでいる場合には、
ブロックをかけて相手を前に出させないように動きを制限し、
ロングやミドルシュート、はたまた隣のバックプレイヤーの選手に
パスして、空いたスペースにポストプレイヤーが
走り込みパスをもらってシュートするか、
的確な判断を行うことが求められる。

クロスの際に、止まる選手や緩急をつける選手に
対して適切なタイミングでクロスに回る判断が必要となってくる。

3枚目の選手が前に出て守りに出るかどうかも注視し、
それに基づいてプレーを展開することが大事なのだ。

相手の動きを的確に見極めつつ、
味方とも連携を図り試合展開を進めることが
クロス攻撃の成功に直結する。

これらのポイントを押さえつつ、
相手の強さや弱さを見極めながら試合進行を
コントロールし、2対2の場面でのクロス攻撃を
成功させていこう。

センターは攻撃の基本的なアプローチとして、
6対6で考えるのではなく、2対2や広い1対1の局面を
作り出すことに焦点を当てゲームを作っていく。

ポストが左右どちらにいるかによっても攻め方が
異なり、ディフェンスを混乱させるためには、
ポジションチェンジを上手く活用し、相手ディフェンスを
引き出してスペースを作り出すことがセンターだけでなく
バックプレイヤーの役割ともいえる。

全てはバックプレイヤーたちがシュートを
狙ってからこそ始まる攻撃であることを
今一度理解しよう。

バックプレイヤーたちにシュートの怖さがなければ、
ディフェンスは前に出て守りに来ないからである。

センターはポストプレイヤーとの連携で攻撃を指揮し、
ワイドなポジショニングを取ることで効果的な攻撃が
展開できるようになるのだ。

そして、2対2の場面を作る前提として欠かせないのが
1対1の状況を作りだすこと。

相手ディフェンスがバックプレイヤーのシュートを
守りに前に出て守る。

そこから近くにいるポストプレイヤーと連携して
2対2の状況を作り出し、ポストプレイヤーが勝ちの位置が
とれていると判断したら、隣のバックプレイヤーにボールを
回し、効果的なスペースで攻撃することも可能となってくる。

セットオフェンスは1対1から始まり2対2と続き、
3対2とオフェンスが数的優位な場面を
作り上げていくことで得点へと結びついていくのだ。

数的優位な場面というのはオフェンスの人数を余らせて、
ノーマークのシュートチャンスを演出することをいう。

ディフェンスに接触されて打つシュートよりも、
ノーマークで打つシュートの方が得点確率は大幅に違う。

セットオフェンスの2対2を崩すことは次の展開に
繋がる数的優位を生み出すと同じ意味であるため、
地味ではあるが2対2の反復練習をおろそかにしては
いけないことがわかるだろう。

まとめ

ハンドボールのセットオフェンスは2対2の
基本から始まり、2対2で相手ディフェンスを崩す鍵と
なるのはポストプレイヤーとバックプレイヤーの連携が
重要となってくる。

ポストプレイヤーがスペースを広げつつ、
バックプレイヤーはボールをもらった瞬間、
ストップすることを意識し、シュートを狙いつつ
次の展開も頭に入れて攻撃を仕掛けるべき。

相手ディフェンスの対応に応じて
ポストプレイヤーやブロックだけでなく空いた
スペースに移動してパスをもらってシュートを
打つことも時には有効である。

観察力と臨機応変な判断が
セットオフェンス攻略に繋がるのだ。